高専の電子情報工学科に入学された学生さんやその保護者の方からたまに質問があります。
「ノートパソコンは買うべきですか?買うとしたらどれぐらいの金額のものを買うべきですか?」
これに対して、BYODを試した私の意見を書きたいと思います。
なお、この意見は私個人の考えであり、学校や学科によって異なる場合があります。
- その1 1, 2年生の間は買わないほうが良い
- その2 Windows 使った方がいい
- その3 性能はケチってはいけない
- その4 家電量販店で買ってはいけない
- その5 中古よりも新品を
- パソコンの性能について
- 最後に
その1 1, 2年生の間は買わないほうが良い
高専に入学して1年目や2年目は、混合学級となっている場合が多いと思います。
混合学級の場合、一般科目などでノートパソコンを必要とするようなことはありません。なぜなら、他学科の学生がいるためです。
電子情報の学生に白衣や工場作業着を買わせないのと同じで、他学科の学生にノートパソコンを買わせることは考えにくいです。
事実、私の学校では混合学級だった1年生のころにノートパソコンを必要とするような科目はありませんでした。
どの学校もパソコンを設置した施設があるはずなので、パソコンを使う授業はそこで行うと思います。
また、他の理由としては、この時期にノートパソコンを購入してしまうと、ノートパソコンが必要な時期には性能が見劣りしてしまいます。
近年は性能の飛躍的向上はありませんが、使用すればするほどバッテリーも痛むので新しいものと比較するとどうしても劣るところがあります。
その2 Windows 使った方がいい
おそらく情報系の授業ではmacを必要とすることはありません。
何故ならば、学校に多く設置されているPCはほとんどがWindowsであるためです。
特に電子情報という学科ならば、電子回路などのシミュレータや論理回路設計ソフトを操作することがありますが、それらのインストール方法などはだいたいWindows向けの情報しか先生は提供していません。*1
もちろん自分でmac版のインストール方法を調べるとか、代わりのソフトを見つける/開発する!というのであれば問題ありません。
OSは好みなんですが、どうしてもソフトの兼ね合いがあるので気をつけましょう。
その3 性能はケチってはいけない
私の学校では、BYODが始まる前に推奨PCが提示されました。しかし、そのPCは価格重視だったため、お世辞にも性能がいいとは言えませんでした。
そのPCはストレージも少なかったため、Windows Updateが途中から容量不足で行えなくなりました。
また、これは先生方でちゃんと情報共有が行えていなかったことも原因ではありますが、必要なソフトが動作しなかったというのがあります。
具体的にいうと、Visual StudioというC++やC#などのプログラミング言語で開発するためのソフトです。
「安物買いの銭失い」という言葉があるように、安いものにはそれなりに裏があるので気をつけましょう。
5万円以上は予算を用意しておいたほうがいいです。10万円以上あると高学年2,3年間ほどは十分な性能が手に入ります。
その4 家電量販店で買ってはいけない
もしあなたがパソコンを余り触ったことがないという方であれば、家電量販店で購入するのは絶対におすすめできません。
というのも、家電量販店がターゲットとしているPCユーザーは
- それなりの価格
- 充実したサポート
- 一通りのことができるように準備されている
ものを必要とする人たちです。プログラミングやPCの中で大暴れするような処理を行うソフトウェアの動作を必要とするユーザーをターゲットにはしていません。
近くにパソコン専門店がある場合はそこに、なければWebのオンラインショップで購入するようにしましょう。
大手の会社であればサポートもいいですし、なかなかいい性能のパソコンをお手頃な価格で購入できることもあります。
その5 中古よりも新品を
パソコン購入の節約術としてよくある話が「中古で購入する」です。
中古のパソコンはいいものが当たればかなりお得ですが、悪いものが当たるともう一台買い直す必要が出てきて結果として損をすることがあります。
「パソコンを何度も買ったことがあってハズレてもいいから中古で買いたい」という気持ちでなければ新品を購入しておいたほうがいいと思います。
保証も新品のほうがいい場合がほとんどです。
パソコンの性能について
いざ買おうと思っても「どういうパソコンが必要かわからない!」というのがほとんどです。
一番いいのは学校の先輩(4,5年生)に聞いてみることですが、ここで簡単に紹介だけしておきます。
CPU
予め断っておきますが、ここではIntel CPUのみ紹介します。筆者はAMD未経験です。
まず、CPUはパソコンが計算する部分ですので、CeleronやPentium、Atomという名前のつくものはおすすめしません。今挙げた名前のものは省電力低価格を重視したモデルで、性能を重視していないのであとから困ることになります。
Intel Core iシリーズのものを、できればCore i5以上のものを買っておけば問題ないと思います。Core i3はどうしても値段が気になるときにはアリです。
メモリ
メモリは多ければ多いほど同時に処理するときに有利になります。専らプログラミングしかしないのであれば8GB、ちょっと重い処理もするのであれば16GBあれば問題ありません。それ以上は趣味の領域です。
ストレージ
ストレージはソフトウェアや画像などを保存するパーツです。最近は容量が増えて画像などをたくさん保存しておけるようになりました。おすすめはSSDというストレージです。速く動くのでストレスが少ない上、ノートパソコンなど持ち運ぶ場合に損傷する可能性が低くなります。HDDは容量が大きくコスパもいいのですが、遅いのでそのうちイライラすることになる上、衝撃でデータが破損して使えなくなることもあるので注意が必要です。
SSDで、容量が256GB以上あれば問題ないと思います。
グラフィックボード
10万円を超えるパソコンを見るとグラフィックボードというものが搭載されるようになります。これは映像の処理を行う専用のCPUのようなもので、性能がいいグラフィックボードがついているとゲームなどが快適にプレイできます。
プログラミングで言えば専用の言語で書いたプログラムを動かすことで計算を大量に並列して処理できたり、最近流行りの人工知能を高速に動かすことができたりします。
ですがグラフィックボードが必要となる授業はあまりないと思うのでここではこれ以上のことは書きません。
大きさ
画面の大きさは一度に表示できるソフトウェアの数に影響するので大きいほうが見やすいです。
一方で、大きすぎると高くなる上、重くて大きすぎて他の作業のじゃまになったり持ち運びが面倒になったりするのでちょうどいい大きさを考えましょう。
重さ
重いと苦労します。レポートを家で書くためにノートパソコンを持ち帰り、学校で授業をするためにノートパソコンを持っていくと、そのうち面倒になってしまいます。
自転車や徒歩で通学するのであれば軽めのノートパソコンを選びましょう。
基準は大体1.2~1.5kgまでの重さです。これを超えると辛くなります。
最後に
ここではパソコンの選び方を少しだけ紹介しました。人によって好みもあるので参考程度に考えてください。
必要な時期にそのときに最高のものを選んでおけば長く使えて良い買い物になるんじゃないかと思います。
用途に合わないノートパソコンを買わないように気をつけてくださいね。